レガシー視点での『マジック・オリジン』
2015年7月12日 趣味
「最後の基本セット」という大層な肩書きを与えられたマジック・オリジンの発売まで、あと1週間をきりました。
スポイラーを眺めてみると、これまでのマジックの歴史に名を残してきた数々の人気カードを、現在のデザイン思想で調整し直したかのようなカードが多い印象。
新しいながらも、どこか懐かしい、良いセットに思えます。
■レガシー視点での『マジック・オリジン』を語る前に
さっそく『マジック・オリジン』の有望なカードについて、あれこれ語りたいところなのですが、その前に。
今現在のレガシー環境がとても歪んでいる点について、言及しておかねばなりません。
《時を越えた探索/Dig Through Time》という後出しジャンケンのようなパワーカードがあるせいで、レガシー環境の多様性は破壊され、ヴィンテージ環境にも似た一種の<ガラパゴス的生態系>が確立されてしまいました。
このような特異な環境下においては、カードの強さを規定する軸そのものが本来の<一般的なマジック>から乖離しており、ふつうであれば「強い」と評価できるカードに対して「環境的に無理」といった言葉を返すしかないわけです。
従って、『マジック・オリジン』から有望なカードを探し出すという今回の試みもまた、純粋に強いカードを見つけるわけではなく、「現在のレガシー環境において生き残れるか否か」を前提としてカードの評価をすることになり、でもそれって本来のカード・パワーを精査しているわけではないよね、とか思うわけです。
まぁ、仕方ないよね。
以上。
ただの文句でした。
では、レガシー視点での『マジック・オリジン』というお題目で、いつものごとく3枚のカードをピックアップしていきますね。
■《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》
シンプルであり、かつ究極のグロウ生物です。
この系譜の祖は、たぶん《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad》。
最近活躍している「果敢」も、この種のデザインから発展しているように思います。
この《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》は、恐らく、オンスロート・ブロックの第3エキスパンション『スカージ』に収録された緑のレア《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》が元ネタです。
《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》は、「カードを作るのは君だ!」企画の記念すべき第1回で作り上げられた一品。
で、この《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》、実は最終的にマナコストが調整されてから世に放たれたという経緯があります。
投票によって決められた「そもそものマナコスト」は、(1)(G)(G)の合計3マナ。
しかし、それでは強力すぎたため、(3)(G)の合計4マナに調整されて印刷されました。
昨今のクリーチャーが強化傾向にあるため、これでも不十分かもしれませんが、WotC自身がかつて「強力すぎる」と判断した領域に自ら足を踏み入れたこの《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》からは、やはり危険な気配がします。
グロウ能力と相性の良いトランプルも付いていますし。
それに、やはりレガシー的には、この3マナと4マナの差は実に大きいわけです。
4マナのクリーチャーに求められるのは、単体での強さではなく、盤面の制圧力ですから。
レガシー環境でプレイすることが可能になった《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》は、速やかに相手のライフを狙う純粋なビートダウン生物として機能します。
他のレガシーにいる生物たちと比べた時の《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》の長所は、育つための呪文の種類を問わないところ。
緑のクリーチャーデッキを支えている主柱《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》のcastでも育ち、手札からのクリーチャー呪文castでも育ちます。
これは即ち、専用のデッキを用意する必要がない、タルモゴイフ的な汎用性を持ったカードだということ。
除去耐性だとかいう考えは捨てた方が良いでしょう。
《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》を守るためにカードを使うくらいなら、2枚目の《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》をcastするべきです。
■《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》
《輝きの乗り手/Glowrider》に翼が生えました。
しかし、レガシー的には「《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が伝説ではなくなりました」と表現するべきでしょう。
《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》効果は重複すればするほど、より強力にプレイヤーの行動を縛ります。
その点だけでも十分に強力なのですが、Death and Taxes.Deckにとっては「飛行」も重要です。
Death and Taxes.Deckのクリーチャーはいずれも小粒であり、フィニッシャーである《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を機能させるためにも、飛行などの回避能力持ちが必要とされます。
つまり、《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》は2枚目の《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》であると同時に、フィニッシャーたりえるわけです。
2枚目の《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
という言い回しからも、ピーキーな雰囲気が漂いますが、今現在のレガシー環境の傾向から見るに、十分採用に値するカードであると思います。
■《一日のやり直し/Day’s Undoing》
調整版《Timetwister》。
「ターンを終了する」の一言が絶妙で、美しさすら感じます。
まず、WotCの調整を信頼して、コンボでの利用はあきらめた方が良さそうです。
よって、フェアなデッキでの利用法を模索することになるのですが。
実はこのカード、すでに就職先から内定が出ているのです。
一部のローグデッキビルダーは、そのマナコストを見ただけで「おっ、これは……」と手を口元に持っていったのではないでしょうか?
DragonStompy.Deckの親戚で、青単ストンピィというデッキが存在します。
呼称は様々で、FaerieStompy.Deckだとか、SeaStompy.Deckだとか色々あって決まっていません。
私は頑なにBlueSky.Deckと認識しています。
2マナランド(《裏切り者の都/City of Traitors》と《古えの墳墓/Ancient Tomb》)から《虚空の杯/Chalice of the Void》をX=1で唱えて、1マナの呪文を封印するのはDragonStompy.Deckと同様。
そこから《金属モックス/Chrome Mox》を経由して、《海のドレイク/Sea Drake》がデメリットを踏み倒して飛び出したりします。
赤単ストンピィと違って、この青単ストンピィは《Force of Will》を装備しているのが特徴。
DragonStompy.Deckをより無難にしたようなデッキなのです。
この2マナランドから展開していく「○○ストンピィ」系列のデッキにとって、初手は最重要ポイントです。
なるべく早い段階から《虚空の杯/Chalice of the Void》《血染めの月/Blood Moon》《三なる宝球/Trinisphere》で相手の行動を阻害していく必要があるため、これらのパーツが初手に来るまで危険なマリガンを繰り返すことも珍しくありません。
そして、それらを場に展開することにあらゆる資源を費やし、全力を傾けます。
従って、これらの妨害用パーマネントを展開し終わった時点で、「○○ストンピィ」にとっての勝負の8割は完了しているも同然なのです。
この戦略に《一日のやり直し/Day’s Undoing》が噛み合います。
まず、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えると、互いの手札がスタート時の7枚に戻ります。
つまり、相手の手札が7枚により近く、自分の手札が0枚により近いタイミングで最大効率を発揮するわけです。
すなわち、対戦相手が《虚空の杯/Chalice of the Void》を理由に呪文を唱えられない状況、そして青単ストンピィ側が手札を使い果たし、最重要パーマネント《虚空の杯/Chalice of the Void》を場に置いた瞬間が、まさにそのタイミングです。
また、他の場面も想定されます。
上でも述べましたが、「○○ストンピィ」は初手が生命線であり、前のめりなマリガンも辞さない構えのデッキです。
ダブルマリガンも日常茶飯事。
ダブルマリガンという負担を抱えながらも、なんとか《虚空の杯/Chalice of the Void》を場に着地させたとして、そこからフィニッシャーを引けないことにはゲームを終わらせることができません。
ゲームの展開が硬直しているうちに、相手が先にリカバリーしてしまうこともよくあります。
しかし、《一日のやり直し/Day’s Undoing》があれば、この危険なマリガンのデメリットを帳消しにしてしまえるわけです。
《虚空の杯/Chalice of the Void》を設置してから、新たな初手7枚を引けば、フィニッシャーもドローできているはずです。
もちろん、ダブルマリガンしても良い初手に恵まれず、トリプルマリガンをするつもりで《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えても構いません。
《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱える前の手札で2マナランドや《金属モックス/Chrome Mox》を場に展開しておき、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えて新たに引いた手札から《虚空の杯/Chalice of the Void》を唱えることも可能(この場合は2ターンかかります)。
1ターン目に(2)(U)のマナコストを支払えるからこそ可能な芸当です。
非常に強力。
次に、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えると、墓地がリセットされます。
青単ストンピィは墓地を全く利用しないデッキですが、その一方で墓地対策が不得意なデッキでもあります。
というのも、墓地対策として候補に挙がるカードの大半は1マナの呪文であり、自分で設置した《虚空の杯/Chalice of the Void》と仲が悪いためです。
よって、《一日のやり直し/Day’s Undoing》はメインデッキから積める墓地対策として有益なのです(主にDredge.Deckと《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を懲らしめる的な意味で)。
最後に、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えても、場のパーマネントはその影響を受けません。
これは、青単ストンピィというパーマネント依存デッキにとって、都合が良い。
まるで、POX.Deckが使う《小悪疫/Smallpox》みたいなものです。
《一日のやり直し/Day’s Undoing》は通常の青いデッキに扱えるカードではありませんが、もしかしたら現在のレガシー環境に一石を投じる、新たなデッキの夜明けを告げる1枚なのかもしれません。
■
で、この青単ストンピィはとても面白いデッキなので、『マジック・オリジン』発売後は、この《一日のやり直し/Day’s Undoing》入りストンピィを構築していく予定です。
スポイラーを眺めてみると、これまでのマジックの歴史に名を残してきた数々の人気カードを、現在のデザイン思想で調整し直したかのようなカードが多い印象。
新しいながらも、どこか懐かしい、良いセットに思えます。
■レガシー視点での『マジック・オリジン』を語る前に
さっそく『マジック・オリジン』の有望なカードについて、あれこれ語りたいところなのですが、その前に。
今現在のレガシー環境がとても歪んでいる点について、言及しておかねばなりません。
《時を越えた探索/Dig Through Time》という後出しジャンケンのようなパワーカードがあるせいで、レガシー環境の多様性は破壊され、ヴィンテージ環境にも似た一種の<ガラパゴス的生態系>が確立されてしまいました。
このような特異な環境下においては、カードの強さを規定する軸そのものが本来の<一般的なマジック>から乖離しており、ふつうであれば「強い」と評価できるカードに対して「環境的に無理」といった言葉を返すしかないわけです。
従って、『マジック・オリジン』から有望なカードを探し出すという今回の試みもまた、純粋に強いカードを見つけるわけではなく、「現在のレガシー環境において生き残れるか否か」を前提としてカードの評価をすることになり、でもそれって本来のカード・パワーを精査しているわけではないよね、とか思うわけです。
まぁ、仕方ないよね。
以上。
ただの文句でした。
では、レガシー視点での『マジック・オリジン』というお題目で、いつものごとく3枚のカードをピックアップしていきますね。
■《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》
シンプルであり、かつ究極のグロウ生物です。
この系譜の祖は、たぶん《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad》。
最近活躍している「果敢」も、この種のデザインから発展しているように思います。
この《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》は、恐らく、オンスロート・ブロックの第3エキスパンション『スカージ』に収録された緑のレア《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》が元ネタです。
《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》は、「カードを作るのは君だ!」企画の記念すべき第1回で作り上げられた一品。
で、この《忘れられた古霊/Forgotten Ancient》、実は最終的にマナコストが調整されてから世に放たれたという経緯があります。
投票によって決められた「そもそものマナコスト」は、(1)(G)(G)の合計3マナ。
しかし、それでは強力すぎたため、(3)(G)の合計4マナに調整されて印刷されました。
昨今のクリーチャーが強化傾向にあるため、これでも不十分かもしれませんが、WotC自身がかつて「強力すぎる」と判断した領域に自ら足を踏み入れたこの《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》からは、やはり危険な気配がします。
グロウ能力と相性の良いトランプルも付いていますし。
それに、やはりレガシー的には、この3マナと4マナの差は実に大きいわけです。
4マナのクリーチャーに求められるのは、単体での強さではなく、盤面の制圧力ですから。
レガシー環境でプレイすることが可能になった《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》は、速やかに相手のライフを狙う純粋なビートダウン生物として機能します。
他のレガシーにいる生物たちと比べた時の《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》の長所は、育つための呪文の種類を問わないところ。
緑のクリーチャーデッキを支えている主柱《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》のcastでも育ち、手札からのクリーチャー呪文castでも育ちます。
これは即ち、専用のデッキを用意する必要がない、タルモゴイフ的な汎用性を持ったカードだということ。
除去耐性だとかいう考えは捨てた方が良いでしょう。
《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》を守るためにカードを使うくらいなら、2枚目の《マナ喰らいのハイドラ/Managorger Hydra》をcastするべきです。
■《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》
《輝きの乗り手/Glowrider》に翼が生えました。
しかし、レガシー的には「《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が伝説ではなくなりました」と表現するべきでしょう。
《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》効果は重複すればするほど、より強力にプレイヤーの行動を縛ります。
その点だけでも十分に強力なのですが、Death and Taxes.Deckにとっては「飛行」も重要です。
Death and Taxes.Deckのクリーチャーはいずれも小粒であり、フィニッシャーである《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を機能させるためにも、飛行などの回避能力持ちが必要とされます。
つまり、《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》は2枚目の《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》であると同時に、フィニッシャーたりえるわけです。
2枚目の《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
という言い回しからも、ピーキーな雰囲気が漂いますが、今現在のレガシー環境の傾向から見るに、十分採用に値するカードであると思います。
■《一日のやり直し/Day’s Undoing》
調整版《Timetwister》。
「ターンを終了する」の一言が絶妙で、美しさすら感じます。
まず、WotCの調整を信頼して、コンボでの利用はあきらめた方が良さそうです。
よって、フェアなデッキでの利用法を模索することになるのですが。
実はこのカード、すでに就職先から内定が出ているのです。
一部のローグデッキビルダーは、そのマナコストを見ただけで「おっ、これは……」と手を口元に持っていったのではないでしょうか?
DragonStompy.Deckの親戚で、青単ストンピィというデッキが存在します。
呼称は様々で、FaerieStompy.Deckだとか、SeaStompy.Deckだとか色々あって決まっていません。
私は頑なにBlueSky.Deckと認識しています。
2マナランド(《裏切り者の都/City of Traitors》と《古えの墳墓/Ancient Tomb》)から《虚空の杯/Chalice of the Void》をX=1で唱えて、1マナの呪文を封印するのはDragonStompy.Deckと同様。
そこから《金属モックス/Chrome Mox》を経由して、《海のドレイク/Sea Drake》がデメリットを踏み倒して飛び出したりします。
赤単ストンピィと違って、この青単ストンピィは《Force of Will》を装備しているのが特徴。
DragonStompy.Deckをより無難にしたようなデッキなのです。
この2マナランドから展開していく「○○ストンピィ」系列のデッキにとって、初手は最重要ポイントです。
なるべく早い段階から《虚空の杯/Chalice of the Void》《血染めの月/Blood Moon》《三なる宝球/Trinisphere》で相手の行動を阻害していく必要があるため、これらのパーツが初手に来るまで危険なマリガンを繰り返すことも珍しくありません。
そして、それらを場に展開することにあらゆる資源を費やし、全力を傾けます。
従って、これらの妨害用パーマネントを展開し終わった時点で、「○○ストンピィ」にとっての勝負の8割は完了しているも同然なのです。
この戦略に《一日のやり直し/Day’s Undoing》が噛み合います。
まず、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えると、互いの手札がスタート時の7枚に戻ります。
つまり、相手の手札が7枚により近く、自分の手札が0枚により近いタイミングで最大効率を発揮するわけです。
すなわち、対戦相手が《虚空の杯/Chalice of the Void》を理由に呪文を唱えられない状況、そして青単ストンピィ側が手札を使い果たし、最重要パーマネント《虚空の杯/Chalice of the Void》を場に置いた瞬間が、まさにそのタイミングです。
また、他の場面も想定されます。
上でも述べましたが、「○○ストンピィ」は初手が生命線であり、前のめりなマリガンも辞さない構えのデッキです。
ダブルマリガンも日常茶飯事。
ダブルマリガンという負担を抱えながらも、なんとか《虚空の杯/Chalice of the Void》を場に着地させたとして、そこからフィニッシャーを引けないことにはゲームを終わらせることができません。
ゲームの展開が硬直しているうちに、相手が先にリカバリーしてしまうこともよくあります。
しかし、《一日のやり直し/Day’s Undoing》があれば、この危険なマリガンのデメリットを帳消しにしてしまえるわけです。
《虚空の杯/Chalice of the Void》を設置してから、新たな初手7枚を引けば、フィニッシャーもドローできているはずです。
もちろん、ダブルマリガンしても良い初手に恵まれず、トリプルマリガンをするつもりで《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えても構いません。
《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱える前の手札で2マナランドや《金属モックス/Chrome Mox》を場に展開しておき、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えて新たに引いた手札から《虚空の杯/Chalice of the Void》を唱えることも可能(この場合は2ターンかかります)。
1ターン目に(2)(U)のマナコストを支払えるからこそ可能な芸当です。
非常に強力。
次に、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えると、墓地がリセットされます。
青単ストンピィは墓地を全く利用しないデッキですが、その一方で墓地対策が不得意なデッキでもあります。
というのも、墓地対策として候補に挙がるカードの大半は1マナの呪文であり、自分で設置した《虚空の杯/Chalice of the Void》と仲が悪いためです。
よって、《一日のやり直し/Day’s Undoing》はメインデッキから積める墓地対策として有益なのです(主にDredge.Deckと《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を懲らしめる的な意味で)。
最後に、《一日のやり直し/Day’s Undoing》を唱えても、場のパーマネントはその影響を受けません。
これは、青単ストンピィというパーマネント依存デッキにとって、都合が良い。
まるで、POX.Deckが使う《小悪疫/Smallpox》みたいなものです。
《一日のやり直し/Day’s Undoing》は通常の青いデッキに扱えるカードではありませんが、もしかしたら現在のレガシー環境に一石を投じる、新たなデッキの夜明けを告げる1枚なのかもしれません。
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で、この青単ストンピィはとても面白いデッキなので、『マジック・オリジン』発売後は、この《一日のやり直し/Day’s Undoing》入りストンピィを構築していく予定です。
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