随分と時間が経ってしまいましたが、楽しかったですね、GP千葉。
仕事の関係で日程的に本戦に参加することはできず、体力的にレガシー選手権もあきらめて、8人構築(レガシー)を楽しんでおりました。
もちろん、目的は賞品のモダマス・ブースター……ではなく、使いたいカードの試運転です。
《死者起こし/Wake the Dead》を採用したNic-Fit。
以前、記事であれこれ考察していたアレです。
(参考:http://heppocobuilder.diarynote.jp/201501051714395232/)
で、実際に運用してみたら、これまた想像とは全然違っていたのです。
例えば、《悪意の大梟/Baleful Strix》や《スラーグ牙/Thragtusk》が全く仕事をしてくれない!
これは土台から考え直さなければならないと考え至りました。
■《死者起こし/Wake the Dead》を使うデッキとは?
まず、注意しなければいけない点は、これがリアニメイト呪文だということ。
レガシーのリアニメイト戦略で最も代表的なものは恐らく、
・Reanimator.Deck
・Dredge.Deck
この2種でしょう。
Reanimator.Deckは1~2ターンのアクションで対処の難しい支配的なクリーチャーを一本釣りしてしまうコンボデッキの一種であり、Dredge.Deckはまるで墓地を手札のように扱うシナジーの集合体であり、デッキ全体で超高速ビートダウンを実現するBelcher.Deckのような構築思想のデッキ。
そう、どちらもコンボデッキ然としているわけです。
そして、コンボデッキならばこそ、それ相応のスピードが要求され、瞬殺を実現しています。
しかし、《死者起こし/Wake the Dead》の場合は、マナコストを見てもわかるように、これを採用したデッキが超高速であるはずがありません。
もし、そのようなマナ加速が可能であるなら、採用すべきカードは《死者起こし/Wake the Dead》ではなく、より直接的に勝利に手を伸ばす類いのカードでしょう。
というわけで、《死者起こし/Wake the Dead》による墓地活用は、本格的な墓地活用とはベクトルが異なると言えます。
つまり、墓地活用が前提でないデッキで、墓地を活用したらさらに強いデッキ、となるわけです。
■リアニメイト呪文の強さ定義
Reanimator.Deckにおける《再活性/Reanimate》がなぜあれだけ強力なのかといえば、それは釣り上げる対象となるクリーチャーが勝利を決定的にするほどに強力であるからです。
《グリセルブランド/Griselbrand》、《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》、《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》、《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》、《灰燼の乗り手/Ashen Rider》と、出されたら負けを覚悟する類いの連中が揃っています。
つまり、(当たり前の話ですが)リアニメイト呪文はリアニメイトするクリーチャーが何であるのかによって、強さが定義されます。
《再活性/Reanimate》で《灰色熊/Grizzly Bears》を釣り上げようとしてはいけないわけです。(さりげない伏線)
■《死者起こし/Wake the Dead》で誰を起こそう?(反省)
まず、GP千葉の8人構築で試してみたクリーチャーについて、復習していきます。
①《老練の探険者/Veteran Explorer》
Nic-Fit.Deckの根幹となるクリーチャーであり、こいつの能力が誘発してくれないと《死者起こし/Wake the Dead》を唱えること自体が厳しくなります。
では、こいつをリアニメイトする場合、強いのか?
答えはNOです。
墓地にいる《老練の探険者/Veteran Explorer》のためにXを1マナ増やすくらいなら、《目くらまし/Daze》やら《呪文貫き/Spell Pierce》をケアした方が何倍もマシだと思われます。
②《悪意の大梟/Baleful Strix》
《死者起こし/Wake the Dead》を前提としたNic-Fit.Deckというコンセプトの都合上、クリーチャーは場から墓地へと落ちていくのが正常な流れである。
すなわち、対戦相手の手札には除去呪文が使われないままに蓄えられており、そのような状況下で唱えられた《悪意の大梟/Baleful Strix》に「接死」などという有用な才能を発揮する機会が与えられるはずもないのである。
ただの2マナで1ドローするカードでしたね!
で、こいつをリアニメイトする場合、Xを1マナ増やしたらドローできるわけですが、Xドローが欲しいなら《思考の泉/Mind Spring》を使えって話ですよ(笑)
③《永遠の証人/Eternal Witness》
デッキに採用した際の理由は、「《死者起こし/Wake the Dead》を毎ターン唱える状況を作ることができるから」と、まあ、墓地の《永遠の証人/Eternal Witness》を《死者起こし/Wake the Dead》でリアニメイトし、《永遠の証人/Eternal Witness》の誘発型能力で《死者起こし/Wake the Dead》を拾うような、いかにもジョニーちっくな悠長プレイを想定してのことでした。
で、実際は?というと。
まず、デッキのコンセプトの都合、クリーチャーが場に残りにくいわけですが(言及2度目)、その結果、対戦相手の手札には打ち消し呪文が使われないままに蓄えられているわけです(マスカン札だらけというNic-Fit.Deckの強み全否定)。
つまり、《死者起こし/Wake the Dead》は当然のようにカウンターされてしまうわけです。
そこに、救世主《永遠の証人/Eternal Witness》が現れます。
《永遠の証人/Eternal Witness》が墓地の《死者起こし/Wake the Dead》をナチュラルに拾ってくれて、ようやく《死者起こし/Wake the Dead》を唱え直すことができるわけです。
もうやってることがレガシーのデッキとは思えないね!
④《金粉のドレイク/Gilded Drake》
このクリーチャーを《死者起こし/Wake the Dead》でリアニメイトすると、少々面白いことが起こります。
場に出た《金粉のドレイク/Gilded Drake》は対戦相手のクリーチャーと交換され、ターン終了に合わせて対戦相手に渡った《金粉のドレイク/Gilded Drake》だけが生け贄に捧げられてしまうのです。
当然、こちらがコントロールを奪ったクリーチャーは場に残ったままです!
強い!
……とか妄想していました。
ちょっと待てよ、使ってるデッキはNic-Fitだぞ、相手のクリーチャーがNic-Fitの出すクリーチャーよりも魅力的な状況って何だよ、もうちょっとよく考えてデッキに入れるカード考えろよ、的な状況が生じました。
ついでに一言付け足すのであれば。
クリーチャーは手札から唱えて「強い!」、墓地から拾っても「強い!」ものを選びましょう!
⑤《スラーグ牙/Thragtusk》
今回のデッキにおける最大の被害者。
デッキのコンセプト云々(省略)が理由で、対戦相手の手札には除去呪文が使われないままに蓄えられており、そのような状況下で唱えられた《スラーグ牙/Thragtusk》は5点のライフと3/3ビーストのみを置いて早々に墓地へと旅立った。そして、その3/3ビーストも彼を悼んでか、早々に彼の後を追ったのである。
彼の名誉のために、言いたい。
「弱くはなかった」
ただ、就職するデッキを間違えただけなのだ。
⑥《霊異種/AEtherling》
このクリーチャーを《死者起こし/Wake the Dead》でリアニメイトすると、少々面白いことが起こります。(2度目)
場に出た《霊異種/AEtherling》の一つ目の起動能力を使うと、追放領域から戻ってきた《霊異種/AEtherling》は《死者起こし/Wake the Dead》の遅延誘発の影響を受けず、ずっと場に残ってくれるのです!
強い!
……っていうか、こいつ、そもそも墓地に落ちねえええええ!(素の除去耐性的な意味で)
《死者起こし/Wake the Dead》の存在が全否定されるオチ。
仕事の関係で日程的に本戦に参加することはできず、体力的にレガシー選手権もあきらめて、8人構築(レガシー)を楽しんでおりました。
もちろん、目的は賞品のモダマス・ブースター……ではなく、使いたいカードの試運転です。
《死者起こし/Wake the Dead》を採用したNic-Fit。
以前、記事であれこれ考察していたアレです。
(参考:http://heppocobuilder.diarynote.jp/201501051714395232/)
で、実際に運用してみたら、これまた想像とは全然違っていたのです。
例えば、《悪意の大梟/Baleful Strix》や《スラーグ牙/Thragtusk》が全く仕事をしてくれない!
これは土台から考え直さなければならないと考え至りました。
■《死者起こし/Wake the Dead》を使うデッキとは?
まず、注意しなければいけない点は、これがリアニメイト呪文だということ。
レガシーのリアニメイト戦略で最も代表的なものは恐らく、
・Reanimator.Deck
・Dredge.Deck
この2種でしょう。
Reanimator.Deckは1~2ターンのアクションで対処の難しい支配的なクリーチャーを一本釣りしてしまうコンボデッキの一種であり、Dredge.Deckはまるで墓地を手札のように扱うシナジーの集合体であり、デッキ全体で超高速ビートダウンを実現するBelcher.Deckのような構築思想のデッキ。
そう、どちらもコンボデッキ然としているわけです。
そして、コンボデッキならばこそ、それ相応のスピードが要求され、瞬殺を実現しています。
しかし、《死者起こし/Wake the Dead》の場合は、マナコストを見てもわかるように、これを採用したデッキが超高速であるはずがありません。
もし、そのようなマナ加速が可能であるなら、採用すべきカードは《死者起こし/Wake the Dead》ではなく、より直接的に勝利に手を伸ばす類いのカードでしょう。
というわけで、《死者起こし/Wake the Dead》による墓地活用は、本格的な墓地活用とはベクトルが異なると言えます。
つまり、墓地活用が前提でないデッキで、墓地を活用したらさらに強いデッキ、となるわけです。
■リアニメイト呪文の強さ定義
Reanimator.Deckにおける《再活性/Reanimate》がなぜあれだけ強力なのかといえば、それは釣り上げる対象となるクリーチャーが勝利を決定的にするほどに強力であるからです。
《グリセルブランド/Griselbrand》、《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》、《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》、《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》、《灰燼の乗り手/Ashen Rider》と、出されたら負けを覚悟する類いの連中が揃っています。
つまり、(当たり前の話ですが)リアニメイト呪文はリアニメイトするクリーチャーが何であるのかによって、強さが定義されます。
《再活性/Reanimate》で《灰色熊/Grizzly Bears》を釣り上げようとしてはいけないわけです。(さりげない伏線)
■《死者起こし/Wake the Dead》で誰を起こそう?(反省)
まず、GP千葉の8人構築で試してみたクリーチャーについて、復習していきます。
①《老練の探険者/Veteran Explorer》
Nic-Fit.Deckの根幹となるクリーチャーであり、こいつの能力が誘発してくれないと《死者起こし/Wake the Dead》を唱えること自体が厳しくなります。
では、こいつをリアニメイトする場合、強いのか?
答えはNOです。
墓地にいる《老練の探険者/Veteran Explorer》のためにXを1マナ増やすくらいなら、《目くらまし/Daze》やら《呪文貫き/Spell Pierce》をケアした方が何倍もマシだと思われます。
②《悪意の大梟/Baleful Strix》
《死者起こし/Wake the Dead》を前提としたNic-Fit.Deckというコンセプトの都合上、クリーチャーは場から墓地へと落ちていくのが正常な流れである。
すなわち、対戦相手の手札には除去呪文が使われないままに蓄えられており、そのような状況下で唱えられた《悪意の大梟/Baleful Strix》に「接死」などという有用な才能を発揮する機会が与えられるはずもないのである。
ただの2マナで1ドローするカードでしたね!
で、こいつをリアニメイトする場合、Xを1マナ増やしたらドローできるわけですが、Xドローが欲しいなら《思考の泉/Mind Spring》を使えって話ですよ(笑)
③《永遠の証人/Eternal Witness》
デッキに採用した際の理由は、「《死者起こし/Wake the Dead》を毎ターン唱える状況を作ることができるから」と、まあ、墓地の《永遠の証人/Eternal Witness》を《死者起こし/Wake the Dead》でリアニメイトし、《永遠の証人/Eternal Witness》の誘発型能力で《死者起こし/Wake the Dead》を拾うような、いかにもジョニーちっくな悠長プレイを想定してのことでした。
で、実際は?というと。
まず、デッキのコンセプトの都合、クリーチャーが場に残りにくいわけですが(言及2度目)、その結果、対戦相手の手札には打ち消し呪文が使われないままに蓄えられているわけです(マスカン札だらけというNic-Fit.Deckの強み全否定)。
つまり、《死者起こし/Wake the Dead》は当然のようにカウンターされてしまうわけです。
そこに、救世主《永遠の証人/Eternal Witness》が現れます。
《永遠の証人/Eternal Witness》が墓地の《死者起こし/Wake the Dead》をナチュラルに拾ってくれて、ようやく《死者起こし/Wake the Dead》を唱え直すことができるわけです。
もうやってることがレガシーのデッキとは思えないね!
④《金粉のドレイク/Gilded Drake》
このクリーチャーを《死者起こし/Wake the Dead》でリアニメイトすると、少々面白いことが起こります。
場に出た《金粉のドレイク/Gilded Drake》は対戦相手のクリーチャーと交換され、ターン終了に合わせて対戦相手に渡った《金粉のドレイク/Gilded Drake》だけが生け贄に捧げられてしまうのです。
当然、こちらがコントロールを奪ったクリーチャーは場に残ったままです!
強い!
……とか妄想していました。
ちょっと待てよ、使ってるデッキはNic-Fitだぞ、相手のクリーチャーがNic-Fitの出すクリーチャーよりも魅力的な状況って何だよ、もうちょっとよく考えてデッキに入れるカード考えろよ、的な状況が生じました。
ついでに一言付け足すのであれば。
クリーチャーは手札から唱えて「強い!」、墓地から拾っても「強い!」ものを選びましょう!
⑤《スラーグ牙/Thragtusk》
今回のデッキにおける最大の被害者。
デッキのコンセプト云々(省略)が理由で、対戦相手の手札には除去呪文が使われないままに蓄えられており、そのような状況下で唱えられた《スラーグ牙/Thragtusk》は5点のライフと3/3ビーストのみを置いて早々に墓地へと旅立った。そして、その3/3ビーストも彼を悼んでか、早々に彼の後を追ったのである。
彼の名誉のために、言いたい。
「弱くはなかった」
ただ、就職するデッキを間違えただけなのだ。
⑥《霊異種/AEtherling》
このクリーチャーを《死者起こし/Wake the Dead》でリアニメイトすると、少々面白いことが起こります。(2度目)
場に出た《霊異種/AEtherling》の一つ目の起動能力を使うと、追放領域から戻ってきた《霊異種/AEtherling》は《死者起こし/Wake the Dead》の遅延誘発の影響を受けず、ずっと場に残ってくれるのです!
強い!
……っていうか、こいつ、そもそも墓地に落ちねえええええ!(素の除去耐性的な意味で)
《死者起こし/Wake the Dead》の存在が全否定されるオチ。
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